米ライドシェア大手ビア、伊藤忠と森ビルとのパートナーシップを発表

(米国)

サンフランシスコ発、米州課

2019年04月30日

モバイルアプリを活用しライドシェアサービスを提供するビア(via、本社:ニューヨーク市)は4月15日、伊藤忠商事、森ビルと戦略的パートナーシップを結んだことを発表した。今回のパートナーシップでは、日本のタクシーやバス会社などの輸送関連会社にビアの技術を提供し、伊藤忠商事と森ビルはビアのシステムを日本で提供するビア・モビリティ・ジャパン(本社:東京都)の運用検証に協力する。

ビアは既に2018年8月から森ビルと提携し、社員1,300人を対象にしたライドシェアの実験プログラム「ヒルズ・ビア(HillsVia)」を開始しており、交通渋滞や環境負荷などの課題を解決する有用性や、街・オフィスビル入居テナントの付加価値向上への可能性を検証している。

ビアは2013年9月にニューヨークで設立された。タイムスケジュールや運行ルートなど、一般的な公共交通機関の概念に捉われることなく、複数の乗客にとって最も効率的な乗降場所とルートを独自のアルゴリズムで算出し、目的地までのライドシェアを提供する。これまで15カ国・60カ所以上で、5,000万回超のライドシェアを提供してきた。平均待機時間は5分程度で、アプリ上で予約車両の追跡確認もできる。

米国ではシカゴ、ニューヨーク、ワシントンDCでサービスを展開しているほか、欧州ではドイツのダイムラーとのジョイントベンチャーとして「ビアバン(ViaVan)」を設立し、アムステルダム、ベルリン、ロンドンでも展開している。中東では4月15日に、テルアビブで主要バス会社ダン・トランスポーテーションとパートナーシップを組み、「バブル(bubble)」としてサービス展開を始めた。このサービスは、イスラエル財務省と交通省によるパイロットプログラムの1つで、オンデマンドモビリティーと公共交通機関の協業によって渋滞を緩和できる可能性を探るもの。

(石橋裕貴、野口真緒)

(米国)

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