タイ産業団体、デジタル貿易プラットフォームの共同実証結果を報告

(タイ)

バンコク発

2019年11月25日

タイ商業・工業・金融合同常任委員会(JSCCIB)は11月3日、国家デジタル貿易プラットフォーム(NDTP)の実証実験結果にかかる記者会見を実施した(2019年9月25日記事参照)。記者会見には、コブサック・プートラクーン・首相付副事務局長に加え、JSCCIBを構成するタイ主要産業3団体から、カリン・サラシン・タイ商工会議所会頭、プレディー・ダオチャイ・タイ銀行協会会長、スパント・モンコンスットレー・タイ産業連盟局長のほか、ナタポン・デットウィタック・JSCCIB部会長らが参加した。また日本からは、ブロックチェーン技術を用いたデジタル貿易プラットフォームを提供した、NTTデータタイランドの富岡展也代表取締役社長が参加した。

写真 貿易プラットフォームの実証結果にかかる記者会見の様子(ジェトロ撮影)

貿易プラットフォームの実証結果にかかる記者会見の様子(ジェトロ撮影)

実証実験では、貿易手続き時間が最大60%短縮

記者発表資料(添付資料参照)によると、7月から10月にかけて行われた日タイの共同実証実験は、タイ側の貿易関連企業(荷主、銀行、保険会社、物流企業、船会社など)や原産地証明書発給当局を中心に、全24社が参加して行われた。実験においては、発注書や送り状、原産地証明書、輸出許可書、保険証券などの貿易書類が取り扱われ、その結果、貿易手続き時間の最大60%の短縮が認められたほか、同一の貿易書類で複数の金融機関に不正に融資を依頼する、「ダブルファイナンス」も防げることが確認されたとしている。

今回の実験結果を受け、タイの産業界からは、「エクセルシートへの転記や各船会社ウェブサイトへのデータの入力が簡略化された」(タイ飲料大手)、「貿易手続きにかかる他社が入力した情報をそのまま利用できるため、誤入力のリスクが大きく軽減されることが見込まれる」(タイ物流大手)などの声が聞かれた。

(蒲田亮平)

(タイ)

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