第35回ASEAN首脳会合が閉幕、2020年1月からASEAN議長国はベトナムに
(ASEAN)
バンコク発
2019年11月11日
第35回ASEAN首脳会合、および関連首脳会合の閉会式が11月4日、タイ・ノンタブリ県で行われた。閉会式典でスピーチを行ったタイのプラユット首相は、タイの議長年において、アジア地域における不確実性の高まりや激化する競争環境への対応として、6月に「ASEANインド太平洋アウトルック」(2019年6月28日記事参照)を採択したこと、主要貿易相手国間での貿易・経済対立の影響を緩和するため、東アジア包括的経済連携(RCEP)の交渉妥結、ASEANシングルウィンドウの10カ国での運用開始、自動車製品相互認証制度の導入などを進めてきたことを強調した。また社会・文化的な連携については、「持続可能性に向けた連帯に関する首脳ビジョン」を6月に採択したほか、2019年をASEAN文化年と定め、2034年のFIFAワールドカップをASEANとして共同招致する方針を示した。
2020年からASEAN議長国となるベトナムに対しては、「ベトナムが誇りをもってタイからASEAN議長国を引き継ぎ、ASEANの連帯を推進し、ASEANが平和で自由かつ安全な地域として繁栄するという、ASEANの夢を実現してくれると信じる」と述べ、全ての取り組みが1年間で前進するわけではないとして、継続性(Continuity)、補完性(Complementarity)、創造性(Creativity)の「3つのC」の重要性を示した。
続いて登壇したベトナムのフック首相は、タイ議長年のさまざまな成果を賞賛するとともに、グローバルで生じているさまざまな課題に対応するため、「団結(Cohesion)」をキーワードとし、ASEANのアイデンティティーを強化し、経済統合を推進し、ASEAN共同体の価値を高める姿勢を示した。
ASEANの議長国は基本的にアルファベット順に交代し、タイは2018年の議長国だったシンガポールから議長を引き継いでいた。ベトナムは2020年1月から、正式にASEAN議長国としての活動を開始する。
(蒲田亮平)
(ASEAN)
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