豪中銀、政策金利をさらに引き下げ、過去最低の0.75%に

(オーストラリア)

シドニー発

2019年10月03日

オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)は10月1日、政策金利を0.25ポイント引き下げ、過去最低の0.75%とすることを決定した。政策金利の引き下げは、2019年に入って、6月、7月に続く3回目で、合計0.75ポイントの引き下げとなる。

RBAのフィリップ・ロウ総裁は、2019年第2四半期の実質経済成長率(前年同期比1.4%)は予想を下回る結果だったとし(2019年9月12日記事参照)、雇用と所得の伸びを支え、インフレが中期目標に向かっているとの確信を強めるため、今回の決定に至ったとした。また、世界的に金利が低下傾向にあることと、その傾向がオーストラリア経済に及ぼす影響も考慮したと説明した。

ジョシュ・フライデンバーグ財務相は、米中貿易摩擦や干ばつ・洪水への対応などの重要な課題に直面しているものの、国内経済は緩やかな転換点に達し、減税、継続的なインフラ投資、住宅市場の安定化の兆候など、雇用の創出と経済の成長が続いていることを強調した。また、例えば住宅ローンの支払いが少なくなるなど、国民生活にも恩恵がもたらされるよう、国内銀行が今回の政策金利の下げ幅全てを反映することを期待すると述べた。

なお、ロウ総裁は、完全雇用とインフレ目標達成のためには、必要に応じて金融政策をさらに緩和すると述べており、経済関係者の間では今後、さらなる利下げが行われるとの見方も出ている。

(住裕美)

(オーストラリア)

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