第2四半期GDP成長率は1.4%、2009年以来の低成長

(オーストラリア)

シドニー発

2019年09月12日

オーストラリア統計局(ABS)は9月4日、2019年第2四半期(4~6月)の実質GDP成長率が前年同期比1.4%となったことを発表した(添付資料参照)。オーストラリアは、景気後退(2四半期連続のマイナス成長)がない期間の世界最長記録を更新し続けているものの、GDP成長率は2009年以来約10年ぶりの低水準となり、減速を示す結果になった。

需要項目別の実質GDPを前期比でみると、民間住宅は4.4%減、公的資本形成は2.3%減となり、国内総固定資本形成は1.7%減だった。また、財貨・サービスの輸入は1.3%減となった。他方、高齢者介護などのヘルスケアサービスへの継続的な投資により、政府最終消費支出が前期比2.7%増となったほか、鉱物資源の堅調な輸出を反映して、財貨・サービスの輸出が1.4%増となり、全体では0.5%増とプラス成長を達成した。

ジョシュ・フライデンバーグ財務相は、オーストラリアの経済基盤は強固で、米中貿易摩擦による世界経済の不確実性に直面してもなお、他の先進国にはみられない経済成長を続けている、と述べた。また、オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)は9月3日の理事会で、政策金利を過去最低の1%に据え置くことを決定した。今後は、低金利や減税、住宅市場の安定化、インフラ支出の継続、資源部門への投資によって、オーストラリアの経済成長が次第に力強くなる、との前向きな見通しを示している。

(住裕美)

(オーストラリア)

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