新関税法に関するセミナーを開催、従来制度との変更点解説

(コロンビア)

ボゴタ発

2019年10月17日

ジェトロは9月26日、コロンビアのボゴタで新関税法(2019年法令第1165号)(2019年7月23日記事参照)に関するセミナーを開催した。ボゴタ進出日系企業10社から12人が参加した。

8月2日に施行された同法は、これまで5つの法令に分散して規定されていた貿易および関税に関する規則の一部または全部を廃止し、再構成したものだ。解釈の複雑さを解消し、全ての利用者の法的安全性を保障することを目的にしている。

セミナーでは、新関税法における税関利用者の義務、輸出入手続きの留意点、フリートレードゾーン利用の留意点、罰則、今後発表が予定される細則について説明があった。講演したジョレダ・カマチョ法律事務所の弁護士によると、細則については、輸出入事業者や製造者らからの要求を受けて今後発表される予定だが、関税分類、原産地規則、関税の払い戻しや免税規則、関税割当に関する内容などが規定される見通しだ。

また変更点として、高度輸出利用者(ALTEX)および恒常的税関利用者(UAP)の制度が、2020年3月22日以降なくなることについても説明があった。ALTEXやUAPは、貿易取引額や取引回数など一定の条件を満たした者に適用される制度で、税関検査の免除や工業製品向けの原材料が保税で一時輸入できるなどの優遇措置がある。国税庁(DIAN)は、現在ALTEXまたはUAPとして認可されている輸出入事業者に対し、制度廃止以降も同様の優遇措置を適用するか、個別に評価するとしている。

質疑応答も活発に行われ、参加者からは「非常に役に立った」「タイムリーで良い情報提供だった」といった声が聞かれた。また今後、扱ってほしいテーマとして、2020年1月に発効となる「インコタームズ2020」や、輸出入に関する規則全般が挙げられた。

(茗荷谷奏)

(コロンビア)

ビジネス短信 96ac7990a3fe05a5