メルコスール、韓国との第4回FTA交渉を実施、市場アクセスなどで進展

(ブラジル、メルコスール、韓国)

サンパウロ発

2019年10月21日

メルコスール(ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイ)と韓国は、韓国の釜山で9月30日から10月4日にかけて自由貿易協定(FTA)締結に向けた4回目の交渉を行った。いち早く概要を公表したパラグアイ外務省によると、交渉では、市場アクセス、政府調達、サービス、投資、電子商取引(EC)、原産地規則、衛生植物検疫(SPS)などのグループに分かれて交渉が行われ、幾つかの分野で進展があった。

アルゼンチンの現地メディア「バエネゴシオス」(10月6日)によると、メルコスール側関係者の発言として「農産品は困難な交渉になりそうだが、コメ以外の自由化については可能性がある」と、2020年末までの政治合意に前向きな姿勢を示したことが報じられている。

近年のメルコスールはFTA交渉を活発化させており、2019年6月にはEUとの政治合意、2019年8月には欧州自由貿易連合(EFTA、注)との政治合意など実績を重ね、現在、カナダ、韓国、シンガポールとの交渉を進めている。

韓国との交渉は、2005年にFTAに向けた共同研究を実施したものの、10年余り動きがなかった。2017年にメルコスール、韓国双方が交渉開始の重要性で合意したことにより、2018年5月に交渉が開始した。その後、2018年9月に第1回交渉、2019年4月に第2回交渉、2019年7月には第3回交渉が開かれるなど、頻繁に会合を重ねている。

2018年時点で、両国・地域の貿易額は100億ドルを超えている(主な取引品目は、集積回路など(2018年5月28日記事参照)。なお、次回交渉は2020年2月にウルグアイのモンテビデオで予定されている。

(注)加盟国はスイス、ノルウェー、アイスランド、リヒテンシュタイン。

(松平史寿子)

(ブラジル、メルコスール、韓国)

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