貿易産業省、経済特区の税制優遇見直し猶予期間延長を求める声明発表

(フィリピン)

マニラ発

2019年10月08日

フィリピン貿易産業省(DTI)は9月24日、下院を9月13日に通過(2019年9月19日記事参照)し、現在上院で審議されている税制改革第2弾法案「CITIRA法案(下院第4157号)」が成立した後、経済特区入居企業の税制優遇制度の抜本的見直し発効までに5年から10年の猶予期間を与えるべきとする声明を発表した。

CITIRA法案は、成立してから同制度の抜本的見直しの発効まで2年から5年の猶予期間を定めているが、DTIのラモン・ロペス長官は「雇用喪失のリスクを抑えるためにも、最低でも5年間の猶予期間が必要だ。例えば、輸出比率が90%以上で、3,000人以上の雇用を創出している企業については、7年から10年の猶予期間を与えるべきだ」とした。

日本や米国など在フィリピンの外国商工会議所で構成する外国商工会議所連合は9月24日、CITIRA法案が成立した場合、初年度に70万3,000人の雇用が失われるとの試算を発表している(2019年10月4日記事参照)。

CITIRA法案が、財政インセンティブ審査委員会(FIRB)の創設や、2年に1度の税制優遇享受企業のレビューを行う権限のFIRBへの委譲、経済特区庁(PEZA)や投資委員会(BOI)といった投資誘致機関(IPA)による企業への各種税制優遇措置の付与に係る許認可権限をFIRBが有することを規定する点について、ロペス長官は「数多くの申請をFIRBが全て処理することは難しく、1案件当たりの投資額が10億~30億ペソ(約21億~63億円、1ペソ=約2.1円)以下の案件については、引き続き各IPAに許認可やレビューの権限を残すべきだ」とコメントした。

(坂田和仁)

(フィリピン)

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