モディ首相、習国家主席と2回目の非公式会談

(インド、中国)

ニューデリー発

2019年10月21日

モディ首相は、訪印した中国の習近平国家主席と10月11、12日に、南部タミル・ナドゥ州チェンナイで2014年の首相就任以来2回目となる非公式会談を実施した。1回目は、2018年4月に中国の武漢で開催された(2018年6月6日付地域・分析レポート参照)。インド政府のプレスリリースによると、両首脳は友好的な雰囲気の中、世界と地域の重要課題に関して綿密な意見交換をしたとしている。

通商面では、まず国際秩序にのっとり、世界各国に裨益(ひえき)する開かれた包括的な貿易に向けて協働することを確認。2013年から交渉が続く東アジア地域包括的経済連携(RCEP)については、加盟各国に利益があるバランスのとれた妥結の重要性を認めた。さらに、インドの対中貿易赤字の解消を見据え、両国の貿易拡大と経済関係のさらなる強化を目的に、ハイレベルの経済貿易ダイアログを設置することを決定した。投資面では、製造業の特定分野で両国間の投資を促進することで一致し、初回のダイアログでこの構想を発展させるよう政府担当者を任命したという。ほかには、持続可能な開発目標(SDGs)の達成やテロの脅威に対する協働、両国の国境問題なども話題に上った模様だ。

モディ首相は「今回の会談で両国間の戦略的コミュニケーションが拡大した」とした上で、「インドと中国は、(国境問題など)お互いにとってのセンシティブな事項はあるものの、世界の平和と安定に向けた両国の関係強化を図る」と発言した。両国は、今後の非公式会談の開催についても合意しており、次回の3回目は中国で実施されることになっている。

(古屋礼子)

(インド、中国)

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