インターネット経済が急成長、EC市場規模は2025年に4倍の120億ドルに成長
(フィリピン)
マニラ発
2019年10月15日
米国のグーグルとシンガポールの政府系投資会社テマセク・ホールディングスは10月3日、東南アジア諸国のデジタル経済に関するレポート「e-Conomy SEA report 2019」を発表し、フィリピンで現在、GDPの2.1%(70億ドル)を占めるインターネット経済の比率が2025年までに5.3%(260億ドル)となると予測した。
電子商取引(EC)の市場規模は、2015年時点(5億ドル)から2019年時点で30億ドルと、年平均成長率(CAGR)47%のペースで伸びた。2025年には120億ドルの市場規模に成長し、2015年からのCAGRは36%と見込む。
オンライントラベルの市場規模は、2015年時点(11億ドル)から2019年時点で20億ドルと、CAGR16%のペースで成長した。2025年には50億ドルの市場規模になり、2015年からのCAGRは16%と予測する。
音楽やビデオのストリーミングサービスやオンラインゲームといったオンラインメディアは、2015年時点(4億ドル)から2019年時点で20億ドルと、CAGR42%のペースで伸長した。英語を理解し英語のコンテンツに触れる機会の多いフィリピン人の特性を背景に、2025年には40億ドルの市場規模に成長し、2015年からのCAGRは27%としている。
オンライン配車サービスは、2015年時点(3億ドル)から2019年時点で10億ドルと、CAGR35%のペースで成長した。2013年にフィリピン市場に参入した配車サービス大手のグラブが2018年に米国のウーバーの東南アジア事業を買収し、フィリピン市場は現在グラブの独占状態となっている。競争の欠如とドライバー不足が問題となっているが、レポートは、2025年には40億ドルの市場規模に成長し、2015年からのCAGRは30%と予測する。
レポートはまた、インターネット経済の国民1人当たり年間総流通総額(GMV)について、現在、マニラ首都圏は273ドル、それ以外は98ドルと、2.8倍もの差が生じているとした。
電子決済サービス国内大手のペイマヤ・フィリピンズは、2023年までに年間決済額が現在の5倍以上の1兆ペソ(約2兆1,000億円。1ペソ=約2.1円)、ユーザー数は4,000万人に達する見込みだと発表している(2019年10月9日記事参照)。
(坂田和仁)
(フィリピン)
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