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最終局面のEU離脱交渉、英国が大幅譲歩も合意は持ち越し

(英国、EU)

ロンドン発

2019年10月17日

欧州理事会(EU首脳会議)を翌日に控えた10月16日、英国のEU離脱(ブレグジット)をめぐる英国とEUの再交渉はこの日も合意に至らず、結論は欧州理事会の当日以降に持ち越された。

英国が10月2日にEUに提示した、アイルランド・北アイルランド国境の「バックストップ」に代わる取り決め(2019年10月3日記事参照)をめぐり、双方は交渉を続けてきた。これについてEU側は、(1)関税・付加価値税(VAT)の徴収や検査を確実に行うのが困難になること、(2)北アイルランド議会の同意が条件となることで、英国の一体性を強く主張する北アイルランドの地域政党、民主統一党(DUP)が事実上の拒否権を持つこと、(3)英国とEUの公正な競争条件(レベルプレイングフィールド:LPF)が担保されなくなり、英国が不当に競争力を高める懸念があること、などを問題視していた(添付資料参照)。

EU側の主張に対し、英国政府もさらなる妥協を模索したが、最大の難関となったのがDUPからの支持獲得だ。ボリス・ジョンソン首相は10月15日夜と16日朝に、同党のアーリーン・フォスター党首と協議したが、結論は出ていない。北アイルランドだけ、EUの物品規制に準拠させる代替案には同意した同党も、EUの関税制度などにも永続的にとどまることになりかねない妥協は、簡単に受け入れられないためだ。

英紙「ガーディアン」や米国ニュースサイト、バズフィードの記者らがEU関係者から得た情報によると、英国政府は10月16日までに、(1)北アイルランドは英国の関税地域であるものの、EUの関税制度に従うこと、(2)代替案導入から4年後に、北アイルランド議会において単純過半数で議決を行い、賛成の場合はさらに4年間継続、反対の場合は2年間の猶予期間を確保すること、(3)将来、EUと自由貿易協定(FTA)を結ぶために、環境・労働基準などについてEUとのLPFを維持すること、など大幅に譲歩したもよう。他方、北アイルランドをEUのVAT制度下に残すかどうかは、合意に至っていないという。最終合意に基づく文書は未公表で、DUPや与党・保守党の離脱強硬派が支持するかどうかは不明で、支持したとしても、なお英国議会を通過できるかは予断を許さない。

最終合意が欧州理事会で正式に承認されれば、英国政府は10月19日に議会を開催し、採決にかける見通し。否決されると、ジョンソン首相にはEUに離脱延期を申請する義務が生じる(2019年9月10日記事参照)。

(宮崎拓)

(英国、EU)

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