財務省、税制優遇制度を2年に1度審査すると発表

(フィリピン)

マニラ発

2019年09月18日

フィリピン財務省(DOF)のカルロス・ドミンゲス長官は9月5日、現在、国会で審議されている税制改革第2弾法案「CITIRA法案(下院第4157号)」(2019年7月25日記事参照)によって、税制優遇制度の恩恵を受ける経済特区入居各企業に対して、法案成立後2年に1度はレビューを行い、税制優遇付与の適否を審査する予定だと発表した。

CITIRA法案は、財政インセンティブ審査委員会(FIRB)の創設を規定し、2年に1度のレビューの権限をFIRBに委譲すると規定している。また同法案に基づき、FIRBは、フィリピン経済特区庁(PEZA)や投資委員会(BOI)といった、投資誘致機関による企業への各種税制優遇措置の付与に係る許認可権限を有することになる。

ドミンゲス長官は地元メディアに対して、FIRBがレビューを行う際には、税制優遇を享受している企業が、当該税制優遇制度を利用することでいかに社会に良い影響を与えているかという観点で審査を行うと説明した。DOFは同法案の成立によって、余分な税の取りこぼしを防ぐ意向だ。現行の税制優遇制度により、2015年に3,012億ペソ(約6,325億円、1ペソ=約2.1円)、2016年に3,807億ペソ、2017年に4,411億ペソの税収の取りこぼしが生じたという試算を発表している。

日本や米国など、在フィリピンの外国商工会議所で構成される外国商工会議所連合は9月3日、CITIRA法案の対象から、PEZAを外すことを求める声明を発表した(2019年9月5日記事参照)。

(坂田和仁)

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