労働規則違反のペナルティーの詳細を発表

(サウジアラビア)

リヤド発

2019年09月02日

労働・社会発展省は8月26日、サウジアラビアで企業が労務関連規則に違反した場合のペナルティーの詳細を発表した。それによると、政府が推し進めるサウジアラビア人雇用政策「サウダイゼーション」の順守や、職場における女性専用のスペース設置に加え、遅滞ない給与支払い、屋外などの過酷な労働環境下での勤務に関する事項など、サウジアラビア人のみならず外国人労働者にも適用される内容となっており、当地の労務環境改善が根底にあるものとみられる。

サウダイゼーションをめぐっては、2018年に小売り12業種に対してサウジアラビア人従業員比率70%が適用されたほか(2018年9月13日記事参照)、2019年12月以降はホテル業界でも順次、特定ポストをサウジアラビア人に置き換えることを求める措置が取られている(2019年8月1日記事参照)。

労働・社会発展省担当官が市中各地を検査している様子が、当地メディアでも報道されていたが、これまで具体的なペナルティーは明らかになっていなかった。今回の発表によると、サウダイゼーション規則違反の場合には、1ポスト当たり2万サウジアラビア・リヤル(約56万円、1リヤル=約28円)が罰金として科されることとなった。

また、職場で労働者間の苦情や問題が発生した際、企業側が問題解決を図ることも項目に含まれている。これは、労働市場に今後ますます女性が進出することが予想される中で、起こり得るセクシャルハラスメントや差別などを視野に入れたものとみられ、2018年6月に発表されたセクシャルハラスメント防止法と併せて画期的な措置といえる。

日系企業の活動に影響しそうな主なペナルティーの項目は表のとおり。詳細は、同省のウェブサイトPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を参照(アラビア語のみ)。

表 労働規則違反の違反内容とペナルティー金額

(柴田美穂)

(サウジアラビア)

ビジネス短信 b0b6c8de18fcb6b6