8月のインフレ率は4.0%へ上昇、過去12カ月では54.5%

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2019年09月19日

アルゼンチン国家統計センサス局(INDEC)は9月12日、8月の月間インフレ率(CPI上昇率)は4.0%と発表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した。3月に4.7%を記録してから漸減傾向を続け、7月には2.2%に落ち着くまでになったものの、8月11日の大統領選挙の予備選挙での現職惨敗を受けて通貨ペソが急落するなど市場が混乱し、インフレ率も大きく跳ね上がる結果となった。中央銀行が9月3日に発表した民間エコノミストらによる最新の経済見通しの集計中央値(REM)では、8月の月間インフレ率予測は4.3%だった。なお、INDECによると、年率(過去12カ月の累積)では、54.5%となった(図参照)。

図 インフレ率の推移(2018年8月~2019年8月)

月間インフレ率を項目別にみると、上昇率が最も高いのは家財道具・住宅管理(6.1%)で、医療・健康(5.2%)、食品・飲料(酒類を除く)(4.5%)と続く。一方、通信(1.2%)、住宅・光熱・その他燃料(2.1%)、教育(2.5%)は比較的低いインフレ率を保っている(表参照)。

表 8月の産業別インフレ率

今後の見通しについてREMでは、9月の月間インフレ率を5.8%に、10月を4.3%に引き上げている(2019年9月5日記事参照)。また、9月14日に国会に提出の2020年国家予算法案では、インフレ率を2019年は53%、2020年は34%としている。

(津下みなみ)

(アルゼンチン)

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