米国の上半期の対日農林水産品貿易額、水産物や酒類を中心に輸入増
(米国、日本)
米州課
2019年09月05日
米国の日本からの農林水産品の輸入が伸びている。米国の貿易統計によると、2019年上半期の対日農林水産品(HTS01~24、44~46、7101類合計)貿易額(通関ベース)は、輸出が前年同期比2.2%減少して71億9,860万ドルとなった一方、輸入は9.3%増加して5億5,600万ドルだった。
輸出の減少は、2018年12月に発効した環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP、いわゆるTPP11)の影響が大きいとみられる。対日輸出額の多い上位品目のうち、小麦およびメスリン(前年同期比13.2%減)、牛肉(骨付きでない、生鮮・冷蔵、5.0%減)、豚肉(冷凍、10.2%減)などが減少に寄与した。一方で、トウモロコシ(3.3%増)、飼料製品(21.9%増)などは増加した(表1参照)。小麦、牛肉、豚肉などの減少は、CPTPPの発効により、CPTPPに参加しているカナダやオーストラリアなどに対して米国の競争力が低下したことが一因とみられる。この点、8月25日の日米首脳による2国間貿易交渉を受けて、米国食肉輸出連合会(USMEF)は、今回の進展は競合者との競争条件を公平なものにすると歓迎している(2019年8月27日記事参照)。
対日輸入額、ブリとウイスキーが大幅増
対日輸入額の多い上位品目は表2のとおりとなった。ブリ、調製食料品、清酒、緑茶など従来の主要品目が総じて伸びを示した。特に、前年同期比26.4%増となったブリは、最大の輸出相手国である米国をはじめ、香港、カナダ、タイなどへの輸出も増加している。また、ウイスキーは57.9%増と大幅に増加した。日本産ウイスキーは世界的な人気の高まりが続いており(対世界輸出額で前年同期比46.9%増)、米国でもその人気は顕著だ。
(綿引文彦)
(米国、日本)
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