カナダ下院選挙戦始まる、10月21日に投開票

(カナダ)

米州課

2019年09月13日

ジュリー・ペイエット・カナダ総督は9月11日、ジャスティン・トルドー首相の助言に基づき、カナダ議会の解散を宣言し外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、選挙戦がスタートした。カナダの下院議会選挙は、2007年選挙法に基づき、前回2015年10月の総選挙から4暦年目の10月の第3月曜日に行うこととされており、今回は10月21日に投開票が行われる。前回選挙では、トルドー氏が率いる野党・自由党が、2006年から首相を務めたスティーブン・ハーパー氏率いる保守党に勝利し、約10年ぶりに政権交代が行われた。現トルドー政権については、2019年2月に建設土木大手SNCラバリン・グループによるリビア政府への贈賄事件に絡む、連邦首相府の介入疑惑が報じられて以降、不支持率が支持率を上回っている(2019年3月26日記事参照)。8月23~29日に実施されたアバカス・データの世論調査(有権者4,549人が回答)では、「明日投票が行われたら、どの党に投票するか」という設問で、アンドリュー・シアー党首が率いる野党・保守党の34%に対し、与党・自由党は33%と拮抗(きっこう)しており、トルドー首相が政権を維持できるかが注目されている。

トルドー首相は9月11日にペイエット総督との面談した後に演説を行い、これまでの4年間で中間層の減税措置、北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉の決着、気候変動対策などに取り組んできたが、取り組みは始まったばかりで、「さらに前進を続けるか、それともハーパー政権時代の政治に戻るのか、カナダ人は重要な選択をしなくてはいけない」と述べた。

一方、保守党のシアー党首は選挙戦初日の演説で、「あなたやあなたの家族が前進するのに誰を信頼できるか。その答えはジャスティン・トルドー氏ではない」とし、保守党への支持を訴えた。

カナダの下院議会の定数は338議席で、過半数に達するには170議席が必要となる。下院議会解散直前の主要政党別議席数は、自由党177議席、保守党95議席、新民主党40議席、ブロック・ケベコワ10議席、緑の党2議席となっている。

(中溝丘)

(カナダ)

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