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ロペス・オブラドール大統領が年次教書演説で9カ月の成果を強調

(メキシコ)

メキシコ発

2019年09月04日

メキシコのアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール(AMLO)大統領は9月1日、政権発足後9カ月間の施政について年次教書演説を行い、現政権の成果として以下を挙げた。

  1. 米国の追加関税を回避:米国への中米諸国からの移民流入阻止について、米国政府間で合意を形成し、メキシコからの対米輸出産品への追加関税を回避した(2019年6月10日記事参照)。
  2. 高級官僚の給与カットなどによる歳出削減により1,450億ペソ(約7,685億円、1ペソ=約5.3円)を節税した。
  3. 燃料盗難対策により、2019年4月には2018年11月比で盗難量が95%減少した。
  4. 2019年1~7月の間で30万人の新規雇用を創出し、未就学・未就労の若者の就労を支援する「未来を建設する若者」プログラムでは、93万人が研修生として民間企業などで就労している(2019年1月18日記事参照)。
  5. メキシコシティ新空港の建設中止。

2.に関しては、歳出削減による節税効果を強調したものの、予算額と公務員数の削減により各種政府機関で慢性的な行政手続きの遅延が起こっていることには言及しなかった。特に、社会保険庁(IMSS)は、予算カットと人員整理の影響による公営病院の薬剤不足、託児所の機能停止などが社会問題化しており、AMLO大統領は、医療機関へのアクセスを改善するために医療分野の予算を400億ペソ増額すると発表した。

4.の雇用創出については、2018年2月時点での前年同月比の正規雇用増が約83万人に達しており、増加ペースが顕著とはいえない。

産業界からの強い批判を受けた 5.については、地盤沈下と環境破壊の恐れがある同建設を中止したことは最良の決断だったとした(2019年5月9日記事参照)。

経済面では、GDP成長率が目標を大きく下回る水準で推移していることに触れ、「確かに経済はほとんど成長していないが、後退もしていない。一方で、富の分配はより公正になっているため、国の発展と福祉の充実は進んでいる」とし、低成長を認めるかたちとなったが、具体策は示さなかった。

治安の回復については「まだ十分な成果が出せていない」として、今後の最重要課題に位置付けた。悪化し続ける治安を改善するために、現政権が新設した国家警備隊5万8,600人をメキシコ全土に派遣していると発表したが、トランプ大統領からの不法移民対策強化の要望に応えるかたちで、国境付近の警備に当たる約2万5,000人の主な構成員が国家警備隊であり、設立当初の目的である市民の安全を維持することに十分な人員を充てられていない状況だ。

(松本杏奈)

(メキシコ)

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