ドゥテルテ大統領、国家予算の年度内の執行を義務付ける大統領令を発出

(フィリピン)

マニラ発

2019年09月19日

ドゥテルテ大統領は9月12日、フィリピン国家予算(暦年ベース)の年度内の執行を義務付ける大統領令(EO第91号)を発出した。大統領令は、全ての国家予算を年度内に支出して検収を済ませること、全ての政府サービス・物品の国民への供給を年度内に終了させること、予算管理省(DBM)や関連省庁の許可を受ければ3カ月のみ支出の延長が許されること、などを規定した。

大統領令の発出の背景には、2019年度予算の成立が3カ月半遅れ、2019年上半期GDPの2%に相当する1,780億ペソ(約3,738億円、1ペソ=約2.1円)の国家予算執行残が上半期で発生している点(2019年9月11日記事参照)、そして国家予算の成立の遅れが、2019年上半期のGDP成長率の鈍化(5.5%)につながった点があげられる(2019年8月16日記事参照)。

DBMのラウナ・パスキュア次官は地元メディアに対して、8月31日時点で2019年度国家予算の91.4%に当たる3兆3,450億ペソを各省庁に配賦済みだ、と説明した。

(坂田和仁)

(フィリピン)

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