ユーロ・グループ、ノー・ディールに伴う景気下振れに警戒感
(EU、英国)
ブリュッセル発
2019年09月17日
ユーロ・グループ(ユーロ圏財務相会合)は9月13日、ヘルシンキで非公式会合を開き、今後の経済成長に向けた効果的な公共投資と財政政策の在り方について協議した。欧州委員会のバルディス・ドムブロフスキス副委員長(ユーロ・社会的対話、金融安定・金融サービス・資本市場同盟担当)は会合後の記者会見
で、足元のユーロ圏の景況について、雇用拡大と賃金上昇で堅調に推移しているとする一方、「英国のEU離脱(ブレグジット)に関連した不確実性は払拭(ふっしょく)できない」と指摘した。
あらためてノー・ディールのリスクを注意喚起
同副委員長はこの会合で、欧州委員会が9月4日に公表した「第6次ブレグジット対策準備コミュニケーション(指針)」(2019年9月6日記事参照)についてユーロ圏財務相に報告。ノー・ディールは依然として起こり得るとして、企業を中心とする全ての利害関係者が最悪のシナリオを念頭に準備すべきと、あらためて注意喚起した。
また、同副委員長は8月24~26日にフランスで開催されたG7ビアリッツ・サミット(首脳会議)の結果も報告し、現在の世界経済の状況について、長期化する米国・中国間の通商摩擦を背景に、景気減速が懸念されているとの認識を示した。これらの影響は欧州経済にとっても不可避と指摘、これに合意なき離脱に伴う経済混乱のリスクが加われば、ユーロ圏経済はその回復力を試されることになると述べた。
(前田篤穂)
(EU、英国)
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