第1四半期の輸出は米国向けが好調、中国向けは減少

(ベトナム)

ハノイ発

2019年06月06日

ベトナム税関総局によると、2019年第1四半期(1~3月)の輸出は588億5,973万ドル(前年同期比5.3%増)、輸入は574億4,921万ドル(7.9%増)だった。貿易収支は14億1,052万ドルの黒字となり、前年同期に続き2年連続の黒字となった。

資本内外別の貿易収支は、外資企業が76億2,766万ドルの黒字、国内企業62億1,713万ドルの赤字となり、輸出主体の外資企業がベトナムの貿易黒字を支えている。

主要国・地域別では、輸出相手先1位が米国で133億1,743万ドル(前年同期比28.8%増)、2位が中国で76億955万ドル(7.9%減)、3位が韓国で46億2,761万ドル(6.4%増)だった(表1参照)。上位の順位に変動はないが、米国への輸出額が2018年通年の14.3%成長を上回る伸び率となった。輸出額上位の品目は総じて増加したが、その中でも「電話機・同部品」は前年同期比87.2%増、「木材・木製品」は34.0%増、「機械設備・同部品」は61.0%増と大幅に伸びた。一方、中国への輸出額は2018年通年で16.6%成長するなど、これまで増加傾向が続いていたが、2019年第1四半期は一転して前年同期を下回った。携帯電話・同部品の輸出額が64.7%減と大幅に減少したことが主な要因だ。中国の携帯市場では、中国ブランドのシェアが高まっており、ベトナムの主力輸出品であるサムスン製品のシェア低下が影響したものとみられる。

輸入相手先では、1位が中国で162億3,999万ドル(前年同期比18.6%増)、2位が韓国で114億5,054万ドル(2.2%減)、3位が日本で42億7,193万ドル(4.0%減)となった。

表1 ベトナムの主要国・地域別輸出入(通関ベース)

主要品目別にみると、輸出では1位が電話機・同部品で121億3,335万ドル(前年同期比3.6%減)、2位が縫製品で71億2,613万ドル(10.6%増)、3位がコンピュータ電子製品・同部品で70億5,790万ドル(10.5%増)となった(表2参照)。

表2 ベトナムの主要品目別輸出(通関ベース)

輸入では、1位がコンピュータ電子製品・同部品で117億8,808万ドル(前年同期比11.9%増)、2位が機械設備・同部品で85億6,718万ドル(14.8%増)、3位が織布・生地で28億7,212万ドル(7.5%増)だった(表3参照)。

表3 ベトナムの主要品目別輸入(通関ベース)

(庄浩充)

(ベトナム)

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