ジェトロ、ニューヨークにスタートアップ企業の支援拠点を設置、北米で4拠点目

(米国)

ニューヨーク発

2019年08月23日

ジェトロは、シリコンバレーに次ぐ全米有数のスタートアップ・エコシステムを有するニューヨークに、スタートアップ企業の支援拠点「イノベーションホットスポット(IHS)」を設置し(プレスリリース)、8月16日からサービスを開始した。ジェトロは、世界各地のスタートアップ・エコシステム先進地域において、現地の有力アクセラレータなどと提携し、日系企業の現地展開および、現地有力スタートアップの日本進出の支援などを行っている。ニューヨークの支援拠点は、北米ではシリコンバレー、ボストンおよびオースティンに次ぐ4拠点目。各支援拠点では、海外のスタートアップ・エコシステムを活用したビジネス拡大を目指す日系スタートアップに対し、現地ブリーフィングや事業戦略立案などに関するメンタリング、現地企業やベンチャーキャピタルなどとのマッチングなどのサービスを行っている。ニューヨークでは、アクセラレータのベンチャーアウト(VentureOut)と提携してサービスを行う。

ベンチャーアウトは、米国外企業のニューヨーク進出支援を得意とするアクセラレータで、米国外(スペイン、チェコなど)でも1週間のアクセラレーションプログラムを提供するなど、精力的に活動している。2012年のプログラム開始以来、150以上のプログラムを提供し、25カ国1,000社以上のスタートアップを支援している。

ベンチャーアウトのCEO(最高経営責任者)で創業者のブライアン・フランバーグ氏はプレスリリースで、ジェトロと連携して技術革新の温床である日本のスタートアップが、地理的な距離や言語の違いといった障壁を乗り越え、世界で最も勢いあるエコシステムの1つを有するニューヨークで成功するよう支援したいと語り、意欲を示した。

ニューヨークには、金融・アート・ファッション・ヘルスケア・メディアなどさまざまな産業とテクノロジーが結びついた「ハイフンテック(-tech)」と呼ばれる成長分野がある。ニューヨークは、世界有数の巨大な商業集積や消費市場を抱えることから、新たな技術やコンセプトを事業化する環境として秀でるシリコンバレーに比べ、より実用的な事業を軌道に乗せる場所として優れるとされる。近郊の大学などから輩出される人材も豊富で、ニューヨーク市経済開発公社(NYCEDC)といった行政機関や、アクセラレータなどスタートアップの支援機関も多くある。

(丸吉裕子)

(米国)

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