上半期の高級車販売、前年同期比7.2%増と好調さ維持
(中国)
上海発
2019年08月16日
中国の2019年上半期の自動車販売台数は前年同期比12.4%減の1,232万台と2桁の減少となった(2019年8月1日記事参照)が、高級車(注)に関しては、2018年の乗用車販売台数が減少となった中でも、2桁の増加を見せた(表1参照)。
2019年に入っても、高級車の販売台数は引き続き増加しており、上半期の販売台数は140万台を超え、前年同期比7.2%増となった。中でもメルセデス・ベンツ、BMW、アウディのドイツ系3社が高級車販売を牽引している(表2参照)。販売シェアを落とす米国車の中でも、ゼネラルモーターズ(GM)のキャデラックは販売を増加させており、これにレクサス、ボルボが続いている。各社の値下げによって高級車ブランドが購入しやすくなり、各社とも高級車販売台数を伸ばしている(「証券日報」8月7日)。
中国政府は2018年7月1日に、完成車の関税を25%から15%に(2018年5月24日記事参照)、4月1日には、製造業の増値税を16%から13%に引き下げた(2019年4月12日記事参照)。自動車価格を値下げする余地が残っており、外国の高級自動車メーカーもこうした税制上のメリットを生かし販売台数を伸ばしている。一方で、中国の地場メーカーブランド車は前年同期比で市場シェアを4%程度落としており、明暗が分かれるかたちとなった。
2019年の自動車販売台数の見通しは、業界団体である中国自動車工業協会が前年比4.7%減という見通しを出している(2019年8月1日記事参照)が、高級車は引き続き前年比で増加していくか注目される。
(注)ここでは、メルセデス・ベンツ、BMW、アウディ、キャデラック、レクサス、ボルボ、ポルシェ、リンカーン、インフィニティ、アキュラとして独自に計算した。
(高橋大輔)
(中国)
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