米アパレル見本市「マジック・ラスベガス2019夏」がサステナビリティーをテーマに開催

(米国)

ロサンゼルス発

2019年08月29日

全米最大のアパレル見本市「マジック・ラスベガス2019夏」が、8月12日から14日までラスベガスのコンベンションセンターで開催された(注1)。世界各国から5,000人以上の出品者が参加し、最新アイテムの展示や商談を行った。

イベント開催の1週間前には、米国の高級百貨店バーニーズ・ニューヨークが破産申請(2019年8月19日記事参照)したとの発表があるなど、アパレル業界における「高級ブランド」への消費者の価値観が劇的に変化する中、今回のマジックはファッション業界の社会的責任に焦点を当て、会場の至るところで「サステナビリティー」についての展示やセミナーなどが行われた。マジック主催者のインフォーマ・マーケッツによると、国連の持続可能性の目標(注2)に協力するコンシャス・ファッション・キャンペーンとパートナーを組み、「グッドフォーファッション」と題し、環境や社会に配慮したアパレル業界の構築を目指していくという。

写真 「環境への配慮」をアパレルトレンドとして発信するセミナー(ジェトロ撮影)

「環境への配慮」をアパレルトレンドとして発信するセミナー(ジェトロ撮影)

写真 アパレル業界の社会的課題を映像体験できるVR展示(ジェトロ撮影)

アパレル業界の社会的課題を映像体験できるVR展示(ジェトロ撮影)

日本企業もサステナビリティーをテーマにセミナー開催

会場内で生地卸業者や製造関係者が出品を行う「ソーシング」エリアには、今回日本から繊維商社の豊島(本社:名古屋市)およびヤギ(本社:大阪市)が出品。自社繊維を使用した生地や、製造ソリューションを展示し、商談を行った。また、両社は今回初めて会場内でセミナーを開催し、日本の繊維および製造技術のサステナビリティーや革新性をトピックに登壇。豊島は、同社が提供する食物由来の染色を利用した生地「フードテキスタイル」を発表した。ヤギは、自社が提供する環境にやさしい綿素材や、日本の小規模製造工場と海外バイヤーをつなぐオーダーシステム「ヤギ・ソース・エンジン」をシタテル(本社:熊本市)と共同開発したと発表した。

写真 日本企業の豊島がフードテキスタイルについてプレゼンテーション(ジェトロ撮影)

日本企業の豊島がフードテキスタイルについてプレゼンテーション(ジェトロ撮影)

写真 日本企業のヤギの出展ブース(ジェトロ撮影)

日本企業のヤギの出展ブース(ジェトロ撮影)

(注1)マジックは、ラスベガスとニューヨークでそれぞれ夏と冬に年2回開催される。次回のマジック・ラスベガスは2020年2月5日から7日まで開催の予定。

(注2)2015年9月に国連サミットで採択されたSDGs(Sustainable Development Goals)。

(トーレス久美子)

(米国)

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