6月の産業活動指数がマイナス成長、回復はしばらく望めず

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2019年08月29日

アルゼンチン国家統計センサス局(INDEC)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)は8月22日、6月の同国の産業活動指数が前年同月比増減なし、前月比0.4%減(季節調整済み)と発表した(図参照)。5月の産業活動指数は前年同月比、前月比ともに増加したため、プラス成長が持続するとみられていた(2019年8月1日記事参照)ものの、ほぼ横ばいで推移した。上半期でみると、前年同期比2.6%減の落ち込みとなった。

図 産業活動指数の推移

産業別にみると、干ばつに見舞われた前年上半期に落ち込んだ農業・牧畜・狩猟・林業が反動で43.7%増となった一方、金融仲介業(前年同月比マイナス15.1%)、電気・ガス・水道(マイナス10.6%)、商業(マイナス8.6%)、建設業(マイナス7.9%)、製造業(マイナス6.1%)、漁業(マイナス5.6%)と、多くの分野でマイナス成長となった(表参照)。

表 産業別の産業活動指数

大統領選挙予備選挙での野党躍進が今後の経済指数に影響の予測

8月11日に行われた大統領選挙の予備選挙(PASO)で現職のマクリ大統領が大敗したことを受け、国内では急激なペソ安に見舞われ、これにより今後さらなる金利の上昇や輸入部材の価格高騰などによって生産活動が減退することが懸念されている。予備選挙後から年末にかけての数カ月間、アルゼンチン経済が低迷することはほぼ確実と、現地アナリストらは指摘している(「ラ・ナシオン」紙8月22日)。

(津下みなみ)

(アルゼンチン)

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