5月の産業活動指数、農業部門が牽引し12カ月ぶりのプラス成長

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2019年08月01日

アルゼンチン国家統計センサス局(INDEC)は7月25日、5月のアルゼンチンの産業活動指数が前年同月比2.6%増、前月比0.2%増だったと発表した。農業部門の大幅な回復により前年同月比では2018年4月以来のプラス成長となった(図参照)。

図 産業活動指数の推移

産業別でみると、農業・牧畜・狩猟・林業が前年同月比49.5%増加し、金融仲介業(前年同月比16.0%減)、商業(11.4%減)、製造業(6.5%減)などの落ち込みをカバーした(表参照)。農業部門の急速な回復は、干ばつにより生産量が大きく落ち込んだ前年からのV字回復に加え、2018/2019年度の記録的な穀物収穫量が影響している。アルゼンチン農業庁が7月18日に発表した月間農業概算報告書では、主にトウモロコシと小麦の生産量が伸びていることから、今期の収穫量は1億4,700万トンと歴史的な記録になると予想している。

表 産業別の産業活動指数

ニコラス・ドゥホブネ経済相は今後の見通しについて、農業部門が引き続き経済成長を牽引するとしている。加えて、インフレ率の低下や今後数カ月の間に実質賃金の改善が見込まれることに触れ、成長が続くとしている(「ラ・ナシオン」紙7月25日)。

なお、アルゼンチン政府が7月4日に国会に提出した2020年予算案では、2019年の実質GDP成長率の見通しをIMFの見通し(2019年7月25日記事参照)よりも楽観的なマイナス0.8%としている。

(高橋栞里)

(アルゼンチン)

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