米オキシデンタル、メキシコ湾の海洋石油ガス開発に参入か、CFOが発言と報道

(米国)

ヒューストン発

2019年08月27日

米国石油会社のオキシデンタル・ペトロリアムがアナダルコ買収(2019年8月9日記事参照)に伴い獲得した資産を今後どうするのかが注目を集めている。既に報じられているとおり、アルジェリアとガーナ、モザンビーク、南アフリカ共和国における上記資産はフランスのトタルへの売却契約が結ばれているが、メキシコ湾内の石油ガス関連資産については、オキシデンタルから正式な発表はいまだない。

一方で、8月12日にデンバーで開催されたエナーコム・カンファレンスで、オキシデンタルの最高財務責任者(CFO)セドリック・バーガー氏が、メキシコ湾内の上記資産に関し、素晴らしいフリーキャッシュフロー(FCF、注)をもたらすキーパー(保有する価値ある資産)であり、中東で30%のコストダウンを達成したオキシー・ドリリング・ダイナミクス技術(オキシデンタルの掘削技術)をメキシコ湾の掘削に採用したいと述べた、と各報道が伝えている。

オキシデンタルはメキシコ湾内に資産を保有していなかったが、アナダルコの買収により、湾内で10基の大水深洋上施設を含む資産を保有することになり、同湾における石油ガスの生産量で4位になった。上記発言はオキシデンタルが獲得した資産の全てまたは一部を保有しつつ、メキシコ湾の海洋石油ガス開発・生産に参入する可能性を示している。

また、報道によると、バーガー氏は、2019年前半に買収した石油メジャーのコノコフィリップスの本社があった敷地(テキサス州ヒューストン)を売却し、アナダルコの本社ビル(テキサス州ウッドランド)は当面保有することを示唆したという。

なお、オキシデンタルは8月15日付プレスリリースで、アナダルコの株式保有者に対してオキシデンタル株式および現金との交換を開始したと発表した。

表 メキシコ湾内でアナダルコが保有していた10の洋上施設
写真 アナダルコ本社ビル(テキサス州ウッドランド)(ジェトロ撮影)

アナダルコ本社ビル(テキサス州ウッドランド)(ジェトロ撮影)

(注)企業などが自由に使える現金がどれだけあるかを示す。

(中川直人)

(米国)

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