牛乳、卵など基礎的商品の付加価値税(IVA)免除を発表

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2019年08月19日

アルゼンチン工業生産労働省は8月15日、政令第567/2019号で、基礎的商品にかかる付加価値税(IVA)を2019年末まで免除することを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますし、即日施行された。2019年中にプライマリーバランス・ゼロの達成を目指すなど、財政規律を重視してきた現政権だったが、8月11日に実施された大統領選挙の予備選挙での敗北を受け、政策の修正を図っている。

マウリシオ・マクリ大統領は有権者の厳しい評価を真摯(しんし)に受け止めるとして、選挙直後に緊急経済政策を打ち出し、13日には最低賃金の引き上げや燃料価格の据え置きなどを発表した。これまでマクリ政権では実質的な価格凍結策など低所得者層対策も展開されていたが(2019年4月23日記事参照)、今回の基礎的商品のIVA免除はさらに踏み込んだものとなった。

IVA免除対象となった品目は、パン、牛乳、食用油(ヒマワリ油、混合油)、卵、砂糖、乾燥パスタ、コメ、小麦粉、パン粉、マテ茶、紅茶、保存用に加工された果物、野菜類、豆類、ヨーグルトなど。

(紀井寿雄)

(アルゼンチン)

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