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販売簡易登録制度が実働開始、日系医薬品の参入に期待も

(ウズベキスタン)

タシケント発

2019年08月09日

ウズベキスタンでは2018年11月1日から、日本を含む特定国で製造販売承認を取得済みの医薬品、医療製品、医療機器について、ウズベキスタンでの販売登録が簡素化されている(2018年10月17日記事参照)。制度導入から9カ月が経過し、ようやく制度が実際に動き始めた。医薬品業界の現状について業界団体「ファルムクラブ(注1)」副会長エルキン・カリモフ氏と、大手医薬品コンサルティング会社「アジアファルム」の登録部長アブドゥバイトワ・ナルギザ氏に話を聞いた(8月5日)。

写真 ファルムクラブのカリモフ氏(左)とアジアファルムのナルギザ氏(ジェトロ撮影)

ファルムクラブのカリモフ氏(左)とアジアファルムのナルギザ氏(ジェトロ撮影)

(問)医薬品業界の特徴と最近の変化は。

(答)ウズベキスタン医薬品市場の規模は、年間10~12億ドルといわれている。業界の最大の特徴は市場に占める私企業の割合が高いこと。医薬品市場の95%を私企業による購買が占め、残り5%は政府(公的)調達によっている。私立病院は首都を中心に約600あり、うち90%は診断のみで、治療は患者自ら薬局で医薬品を購入して行う。国内薬局店舗数は1万3,000店と非常に多い。外国製の医薬品のシェア20%は安価なインド製が占める。しかし、ウズベキスタンで為替規制の緩和が行われて以降(2017年9月11日記事参照)の過去2年間で、欧州ブランドを中心とした医薬品の登録件数が大幅に伸びている。日本の医薬品は市場でわずかに見る程度。価格が高いのは承知しているが、高い品質への需要もある。

(問)販売登録簡素化制度の実際の運用の現状について。

(答)同制度は2018年11月に開始されたが細則が未定で、最近ようやく(細則が固まり)実質的な運用が始まった。ドイツの医薬品が同制度を利用して登録されたと聞いている。通常6カ月近くかかる医薬品の登録手続きが同制度を利用すると1カ月で済み、ラボでの検査などが不要となるためコストも安くなる(注2)。価格帯により国内生産者(注3)との競争もあるかもしれないが、現時点で、政府は良い医薬品が国内に流通し、競争を促すことを歓迎している。

(問)ウズベキスタンの医薬品業界の現在の課題、今後の業界の見通しについて。

(答)販売、製造両分野での専門人材の不足に尽きる。首都タシケント市にも製薬・医薬関連の高等教育機関はあるが、実務知識のある学生を輩出していない。企業が人材を育成する必要があり、コストと時間がかかる。2021年からウズベキスタンで強制医療保険制度が試験的に導入される予定で、その後、医薬品・医療機器業界の構造的変化が起きる。現在、国内の医薬品のディストリビューターは400社といわれており、中小規模の企業は市場から淘汰(とうた)される可能性がある。市場が若い今が外国企業にとって足場を築く良い時機といえる。

写真 タシケント市内に薬局(ドリホナ)は多い(ジェトロ撮影)

タシケント市内に薬局(ドリホナ)は多い(ジェトロ撮影)

(注1)2017年設立。医薬品製造企業、小売り(薬局)、輸入卸、コンサルティングなど外資系企業を含む100社の会員で構成。教育、イベント、マッチング、海外展示会出展などを実施している。

(注2)一般的に通常の手続きだと政府機関による登録(審査)料は約5,200ドルだが、簡易化制度を利用すると約1,200ドル程度になる。

(注3)ナルギザ氏によると、国内の医薬品製造企業、医療関連製品製造企業は152社ある。

(高橋淳)

(ウズベキスタン)

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