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米議会予算局、財政収支悪化と成長ペース鈍化の見通しを発表

(米国)

ニューヨーク発

2019年08月23日

米国議会予算局(CBO)が8月21日に公表した予算および経済見通しの年次報告の改訂版外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(An Update to the Budget and Economic Outlook:2019 to 2029)によると、2019会計年度の連邦政府の財政赤字は、2018年度の7,790億ドル(GDP比マイナス3.9%)から拡大し、9,600億ドル(GDP比マイナス4.5%)になるとの見通しを示した。

5月に公表された前回見通し(8,960億ドル)と比較すると、630億ドルの収支悪化となり、CBOの声明文外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、8月に成立した2019年超党派予算法などが影響したとされる。同法では、連邦政府予算に設定される法定歳出上限を2年分(2020、2021会計年度)引き上げることなどが盛り込まれており(2019年8月7日記事参照)、これらの要因によって、赤字が1兆ドルに到達する時期は2022会計年度から2020会計年度に2年前倒しされた。

赤字の拡大傾向はその後も続き、前回見通しと比較すると、今後10年間(2020~2029年度)で合計8,090億ドルの赤字が拡大する姿となっている。前述の2019年超党派予算法が合計1兆6,700億ドル、災害救助・国境警備のための補正歳出予算法が合計2,555億ドルの収支悪化要因となった(図1参照)。一方で、今後、米国連邦準備制度理事会(FRB)による利上げペースが鈍化するとの想定などを反映した結果、純利払い費が合計1兆3,990億ドルの収支改善要因となった。

図1 今後10年間(2020~2029年度)の財政収支に関する 前回見通しからの変化幅

債務残高についても、2019会計年度末の16兆6,850億ドル(GDP比78.9%)から着実に増加し、2029会計年度末には29兆3,220億ドル(GDP比95.1%)に達するとした。2019会計年度末のGDP比は、既に過去50年間の平均(40%程度)と比べても2倍以上の水準となっており、声明文外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでは「立法府は税と歳出に関する政策を大幅に見直す必要がある」と指摘した。

通商政策の変化によって2020年以降の成長率は鈍化

経済成長率(注)の見通しは、2019年が2.6%、2020年が2.1%とした(図2参照)。2018年から2019年上半期までの平均成長率は2.5%と、潜在成長率を上回る力強い成長ペースとなったが、今後は鈍化していくとしている。財政政策による押し上げ効果の剥落に加えて、追加関税賦課を含む通商政策の変更によって個人消費や設備投資の伸びが鈍化し、2020年から2023年までの予測平均は1.8%まで減速するとした。また、2024年以降は潜在成長率並みの2%弱(2024年から2029年までの成長率の予測平均:1.8%)の成長にとどまる見通しとなっている。

図2 CBOによる経済成長率の見通し(2019年8月)

声明文外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでは、将来の通商政策の変化が見通しの不透明さにつながり、「例えば、新たな合意を通じて(関税などの)貿易障壁が下がり、米国が海外に持つ知的財産がより強力に保護されるようになれば、見通しを上回るペースで成長する可能性もある。一方で、仮に貿易障壁が引き上げられ、またはその懸念が高まれば、国内の生産や投資は見通しと比較して鈍化する可能性もある」と指摘した。

(注)10~12月(第4四半期)の前年同期比ベース。

(権田直)

(米国)

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