新エネ車大手BYD、上半期は利益額3倍増も、第3四半期は減速の見込み
(中国)
広州発
2019年08月30日
中国新エネルギー車大手の比亜迪(BYD)は8月21日、2019年の中間決算報告書を発表した。上半期の売上高は、前年同期比14.8%増の621億8,426万元(約9,327億6,390万円、1元=約15円)となった。親会社株主に帰属する純利益(以下、純利益)は約3倍の14億5,457万元と大幅に増加した。
セグメント別の売上高は、自動車・関連製品が16.3%増の339億8,200万元、うち新エネルギー車関連は38.8%増の254億4,800万元と大幅に増加した。携帯電話部品・組み立て事業は14.4%増の233億2,300万元、二次電池・太陽光発電事業は1.6%減の44億5,300万元となった。
BYDは第3四半期(7~9月)の業績について、新エネルギー車の需要減少と補助金の削減などの影響により、利益額は前年同期よりも大幅に減少するとの見通しを示した。併せて、1~9月の純利益は前年同期比1.8~14.9%増と上半期から大幅に減速するとした。
7月はEV販売台数が急減速
BYDの上半期の自動車販売台数は前年同期比1.6%増の22万8,072台、うち新エネルギー車が94.5%増の14万5,653台、ガソリン車などの従来型燃料車が44.9%減の8万2,419台だった。新エネルギー車のうち乗用車は、電気自動車(EV)が約4倍の9万5,779台、プラグインハイブリッド車(PHV)が5.2%減の4万4,982台だった。
BYDの2019年のEV販売台数の伸びを単月ベースでみると、新車種投入などの効果から、6月までは極めて高い伸びが続いていたが、7月には16.4%増に急減速した(図1参照)。PHVは2月以降、前年同月比割れが続いており、新エネルギー車業務全体が大きく鈍化している(図2参照)。
中国全体でも、7月の新エネルギー車の販売台数は2年6カ月ぶりに前年同月比で減少するなど(2019年8月19日記事参照)、6月の補助金削減前の駆け込みもあり、需要の鈍化が顕著となっている。
2019年のBYDの自動車販売目標は65万台とされるが、7月時点でも半数に達しておらず、達成は厳しい状況となっている。
(河野円洋)
(中国)
ビジネス短信 05c017d69a3af5db