知的財産権保護に向け、知財庁の権限を大幅に強化

(ウズベキスタン)

タシケント発

2019年07月30日

ウズベキスタン閣僚会議は7月20日、閣僚会議決定第609号「ウズベキスタン共和国法務省付属知的財産庁のステータスについて」を採択、知的財産庁の権限を大幅に強化することを決定した。7月1日付大統領決定第4380号「ウズベキスタン共和国法務省付属知的財産庁の活動組織に関する措置について」を受けたもの。

知的財産庁は2011年5月に設立。当初は独立した組織として位置付けられていたが、2月に法務省傘下の機関となった(大統領決定第4168号)。今回の閣僚会議決定で権限強化された点は次のとおり。a.政府の統一的政策を実現し、知的財産権を積極的に「保護」する(能動的)機関への移行、b.国際条約の順守状況などの分析・調査・評価業務の機能付加、c.知財行政の運営、d.政府関連機関への知的財産権侵害違反の通告および実質的な手段の実行(指示権の付与)、e.国際協力の実施、国際的な場でのウズベキスタンの利益を代表することなど。

在タシケントの民間特許事務所はジェトロのヒアリング(7月25日)に対し、「知的財産庁の構造改革は評価できる。一方で、商標権をはじめとした知的財産権自体のさらなる法的整備・権利保護が望まれる」とコメントとした(2019年6月11日記事参照)。

ウズベキスタン政府は近年、知的財産保護に積極的に取り組む姿勢を見せている。シャフカト・ミルジヨエフ大統領は2018年5月の米国訪問時のドナルド・トランプ大統領との会談で、WIPO著作権条約加盟(2019年7月19日記事参照)をはじめとしたウズベキスタンでの知的財産権分野での状況の改善に言及している。

写真 知的財産庁が入居するビル(ジェトロ撮影)

知的財産庁が入居するビル(ジェトロ撮影)

(高橋淳)

(ウズベキスタン)

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