ブラジル自動車製造業者協会、乗用車の関税撤廃スケジュールの税率を公表

(ブラジル、メルコスール、EU)

サンパウロ発

2019年07月10日

ブラジル自動車製造業者協会(Anfavea)は7月4日、メルコスール・EUの自由貿易協定(FTA)における自動車分野の自由化に関する情報を発表した(注)。メルコスール側は乗用車に関して15年間かけて関税を撤廃するが、発効から最初の7年間は猶予期間(グレースピリオド)が設定され、この期間中は5万台の枠で暫定輸入割り当て(Transitional Quota)が認められる(2019年7月3日記事参照)。この5万台の枠のうち、3万2,000台がブラジル向けに割り当てられることが分かった。2018年の輸入乗用車販売台数(新車登録ベース)20万5,782台のうち、欧州製は3万2,418台で、2018年実績と同等の台数となる。

7年間の猶予期間中、この割り当てを上回る乗用車輸入には、ブラジルの場合35%の関税がかかるとされる。8年目以降の関税低減スケジュールは、28.4%(8年目)、21.7%(9年目)、15.0%(10年目)、12.5%(11年目)、10.0%(12年目)、7.5%(13年目)、5.0%(14年目)、2.5%(15年目)となり、16年目で自由化される。

域内調達率について、Anfaveaでは、自動車は55%、自動車部品50%を見込むとしている。詳細は触れられていないが、欧州委員会発表資料によると自動車関連品目は品目別原産地規則(PSR)により定められるとあり、具体的な計算方法の発表が待たれる。

自動車部品の関税撤廃スケジュールは10年間で段階的にゼロ%に引き下げられるが、Anfaveaの資料では、エンジンのように、より複雑な品目では撤廃期限が15年間になるとの記述もある。上述の原産地規則の内容に合わせて今後、詳細の確認が必要だ。

Anfaveaでは合意した協定について、雇用、貿易、経済成長の創出につながり、自動車産業を含めた生産チェーンの全てに利益と機会をもたらすと歓迎する一方、機会に満ちたグローバル競争に参加することになり、それまでに政府と社会がブラジルコストを排除し、競争力を向上させる必要があるとしている。

(注)Anfaveaのプレスリリースは、ウェブサイト参照(ポルトガル語)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)

(二宮康史)

(ブラジル、メルコスール、EU)

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