メルコスール側の乗用車関税を15年間で撤廃へ

(ブラジル、メルコスール、EU)

サンパウロ発

2019年07月03日

6月27日に政治合意されたEU・メルコスール間の自由貿易協定(FTA)に関して、徐々に個別品目の関税低減スケジュールの情報が明らかになってきた。中でも、ブラジル側が市場開放に慎重だった分野に自動車が挙げられる。

7月1日付で欧州委員会が発表した資料(注)によると、乗用車については15年間で関税が撤廃されることが分かった。ただし、発効から最初の7年間は猶予期間(グレースピリオド)が設定され、この期間中は5万台の枠で暫定輸入割り当て(Transitional Quota)が認められる。割り当て内は乗用車に対する最恵国(MFN)税率35%の半分、すなわち17.5%の関税が適用される。このグレースピリオド終了時から段階的に関税が引き下げられ、最終的に0%となる。また、自動車部品に関して詳細は触れられていないが、その多くが10年以内に関税率0%となる。欧州委員会側の資料では、原産地規則はEUがこれまでのFTAで採用してきた方式をベースとし、自動車、自動車部品、機械は品目別原産地規則(PSR)により定められるとある。

ブラジル自動車製造業者協会(Anfavea)によると、2018年の輸入乗用車販売台数(新車登録ベース)は20万5,782台だった。そのうち、欧州製は3万2,418台と15.8%を占める。一方、日本製は1万2,374台で6.0%となっている(表参照)。ブラジル自動車部品工業会(Sindipeças)によれば、2018年の自動車部品輸入額は135億2,300万ドルだった。国別にシェアをみると、中国がトップで13.1%、以下、ドイツ(12.5%)、米国(11.1%)、メキシコ(9.1%)、日本(8.9%)の順となっている。

表 ブラジルの輸入相手国別乗用車販売台数、シェア(2018年)

(注)欧州委員会ウェブサイトにある資料PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)(英語)。

(二宮康史)

(ブラジル、メルコスール、EU)

ビジネス短信 6ac95abcfd8ac07a