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欧州委、干ばつ対策として農業生産者への支援強化を表明

(EU)

ブリュッセル発

2019年07月31日

欧州委員会は7月25日、欧州で深刻化する干ばつ問題への対策として、農業生産者向け直接所得補償や農村振興政策に基づく補助の事前支給の拡大、通常は飼料用作物生産のために認められていない土地の活用などについての柔軟な運用(要件緩和)を認める方針外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを明らかにした。

今後の欧州農業経営への影響を憂慮

今季、欧州は記録的な猛暑に見舞われており、欧州委のフィル・ホーガン委員(農業・農村開発担当)は「現在の気候状況の長期化は欧州の農業生産者にとって憂慮すべき事態」と指摘。欧州委はEU加盟国と連携し状況分析を続けており、干ばつ被害に遭っている農業生産者を支援する用意ができていると語った。

EUでは共通農業政策(CAP)の下、農業生産者に対する直接所得補償〔公的財政負担による農業所得の補填(ほてん)〕などが行われているが、今季の干ばつ被害対策として、農業生産者のキャッシュフロー改善のため、10月中旬をめどに、直接所得補償については70%まで、農村振興策に基づく補助については85%まで事前支給に応ずる方針だ。

また、EUでは、休耕地が生物多様性保全に貢献するとの認識から、作物多様化や環境用地の確保などを要件として、農業生産者への直接所得補償の施策の1つ「緑化支払い」を行っているが、飼料生産にさらなる柔軟性を持たせるため、この要件緩和を認める方針だ。

なお、欧州最大の農業協同組合・農業生産者団体であるCOPA-COGECAは同日付で、2019年春季の欧州農業生産者の景況感指数(注)は改善傾向を示したと発表したが、同時に「今季の欧州での熱波の影響は考慮されていない」「今後の天候には留意する必要がある」と指摘している。同団体によると、今回の景況感は、EU域内の農業経営者の過去2年の停滞が若干緩和されたとの認識を背景とする、楽観的な見通しだという。このほか、同団体は、6月28日に政治合意に達したEU・メルコスール自由貿易協定(FTA)(2019年7月1日記事参照)や、英国のEU離脱問題に伴う英国農業生産者への悪影響(2019年3月22日記事参照)なども、今回の調査結果には反映されていないと指摘。次回の秋季調査の結果で明らかになるとの見方を示した。

(注)EU域内の10カ国(フランス、イタリア、ハンガリー、オランダ、スウェーデン、ベルギー、ドイツ、ルーマニア、ポーランド、英国)の約8,000の農業生産者を対象とする景況調査結果を指数化したもの。年2回(春・秋)発表。

(前田篤穂)

(EU)

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