エセブシ大統領が死去、大統領選は前倒しで9月に

(チュニジア)

パリ発

2019年07月26日

チュニジア大統領府は7月25日、ベジ・カイド・エセブシ大統領(92歳)の死去を公式に発表した。6月27日に体調不良で入院し、4日後に退院して職務に復帰していた(2019年7月4日記事参照)。しかし、7月24日に再度、チュニス軍病院に入院し、翌日死亡した。ユーセフ・シャヘド首相は25日、7日間の国喪を宣言した。

エセブシ大統領は、1956年のチュニジア独立後のブルギバ政権時代(1957~1987年)に内相、外相、防衛相を務め、ベンアリ政権下では1989~1991年に国会議長も務めた。「アラブの春」の先駆けとなった2011年のジャスミン革命後は、民主化移行のプロセスの中心的人物となり、イスラム派の台頭が著しかった2012年には、世俗リベラル派を集めて自らニダー・トゥーネス党を立党した。2014年に民主選挙で選出された初めての大統領に就任した。

エセブシ大統領の死去に伴い、モハメド・アンナサー国民代表議会議長が7月25日に臨時大統領に就任した。大統領選挙はもともと11月17日に予定されていたが、憲法上、臨時大統領就任から90日以内に大統領選挙を実施することが義務付けられている。独立選挙委員会は同日、第1次投票を9月15日に実施することを決定した。

一方、10月6日に予定される国民代表議会選挙実施のための選挙関係者招集に係る大統領令は、エセブシ大統領によって7月5日に調印されており、議会選挙は予定どおり行われる。議会選の立候補受け付けは7月25日に開始され、29日に締め切られる予定だ。

(渡辺智子)

(チュニジア)

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