売電を目的とした系統連系申請手続きをルール化

(ウズベキスタン)

タシケント発

2019年07月26日

ウズベキスタンのアブドゥラ・アリポフ首相は7月22日、閣僚会議決定第610号「再生エネルギーを含む発電事業体の統一電力システムへの接続規則の承認について」に署名し、公布した。同決定は、各事業者がウズベキスタン国内で発電事業を行う場合に、売電のため基幹送電網に接続できるようにする大枠を定めたもの。

同決定は冒頭で、エネルギー省と反独占委員会に対し、発電事業体による基幹送電網への接続を「差別なく」認めるよう指示。接続規則は6つの章に分かれ、「総則」では、各用語の定義のほか、送電網への接続に関する技術要件を提供する企業の指定、接続する電力量によるクラス分け(6つ)などが示されている。第2章では、「接続に関する技術条件の提供に係る手続き」が定められ、接続に関する申請書はウェブサイト経由で入手・提出できるようにすること、接続を受ける側は特別目的会社などを通じて技術的な評価を実施すること、電力網を運営する企業側が接続の技術要件を示さない場合や規則を順守しない場合には発電事業者はエネルギー省に訴える権利があること、接続に際し設備を導入・改修する必要がある場合は発電事業者側の費用で負担すること、などが明記されている。

第3章では、「接続に向けた評価、合意手続き」について記載され、第4章では、「基幹送電網への接続手続き」が示されている。基幹送電網への接続を拒否できる例外的事由として、技術要件の不適、設備設置時の規則不順守、経験人材の不足、書類の不備を挙げている。第5章では、実際の電力輸送契約の締結に関する事項(契約相手先の指定、電力輸送契約書のひな型を作成することなど)が記載されている(注)。また、別添資料として、接続に至るまでのフローチャート図、接続申請書、接続請書(許可書)の3点が示されている。

ウズベキスタンでは現在、電力セクターで大規模な構造改革が進められており、民間資金を導入した社会資本の更新が期待されている(2019年7月16日記事参照)。国際金融機関などの支援を受け、火力・水力・風力・太陽光発電などの分野でPPP(官民パートナーシップ)事業が組成されつつあり、事業入札などについても徐々に外国企業の関心が向き始めている。

(注)第5章では、自然人の住居からの接続についても規定されており、将来的な個人宅での太陽光発電などによる電力買い取り制度の創設などにも含みを持たせたかたちになっている。

(高橋淳)

(ウズベキスタン)

ビジネス短信 7540dc46a8e43696