米国のEUエアバス補助金に対する制裁関税リスト、食料品が125億ドル

(米国、EU)

米州課

2019年07月04日

米国通商代表部(USTR)は7月1日、EUによるエアバスへの不当な補助金拠出に対する対抗措置として、4月12日に公表したEUからの210億ドル分の輸入品目(2019年4月11日記事参照)に加えて、新たに対EU輸入額40億ドル相当の89品目を追加すると発表したが(2019年7月2日記事参照)、ジェトロで試算したところ、対象品目の2018年の対EU輸入額は261億ドルに達し、輸入全体の5.4%を占めていることが分かった(表1参照)。

表1 2018年の米国の対EU制裁対象品目の輸入額(主要品目別)<通関ベース>

4月と今回(7月)の制裁候補対象品目輸入額の品目別内訳をみると、食料品(HTSコード1~11類、16~24類)が125億ドルで全体の50.1%を占め、機械機器が79億ドル、その他原料およびその製品が41億ドルと続いている。国別では、フランスが82億ドルで制裁対象額の31.2%を占め、イタリアが51億ドル(19.4%)、ドイツが45億ドル(17.2%)、英国が30億ドル(11.6%)と続いている(表2参照)。

表2 制裁候補対象品目の国別輸入額(2018年)

今回の制裁候補対象品目輸入額をみると、品目別では食料品が37億ドルで全体の約8割(81.0%)を占めており、国別では、英国が17億ドル、イタリアが8億ドル、ドイツが5億ドルとなっている。

対象品目輸入額をHTSコード上位6桁でみると、ウイスキーが20億5,110万ドルで対象金額の45.0%を占め、冷凍豚肉が4億660万ドル、合金鉄のフェロバナジウムが1億8,880万ドルと続いている(表3参照)。

表3 7月発表の主要制裁候補対象品目の国別輸入額(2018年)

(中溝丘)

(米国、EU)

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