ジョコ大統領、第2期政権の方針を発表、インフラ・人材開発や投資促進など

(インドネシア)

ジャカルタ発

2019年07月25日

インドネシアのジョコ・ウィドド大統領は7月14日、西ジャワ州ボゴールで開催された支持者集会で演説し、今後5年間で実施する政策の重点項目を発表した。ジョコ大統領が2期目の方針を発表するのは、4月の大統領選挙後初めて。前日の13日には、対立候補だったプラボウォ・スビアント氏とともにジャカルタの高速鉄道MRTに乗車し、選挙での両者の対立の終了を印象付けていた。

演説でジョコ大統領は2期目の方針として、(1)インフラ開発、(2)人材開発、(3)投資促進、(4)官僚主義の改革、(5)国家予算の効率的利用の5つのポイントを支持者に訴えた。インフラ開発については、既に進行している大型インフラ案件に加え、経済特区・観光特区など地方産業の振興につながるプロジェクトを優先する。人材開発では、まず幼児の栄養失調や妊産婦・新生児の死亡率の上昇を防ぐこと、就業訓練の強化や国民の能力向上、国外就労のインドネシア人支援の機関設立を表明した。

投資促進については、外資を想定し、投資のマイナス要因だけに目を向けないように訴えた。投資は雇用を拡大するという理解に立ち、投資阻害要因をなくすと述べる一方、必要に応じて投資の管理・監視を行う考えを示した。官僚主義の改革では、行政組織の簡素化を掲げるとともに、より順応性が高く、生産的で競争力のある働き方への改革を呼び掛けた。これらの方針は、大統領選挙の公約(2018年10月23日記事参照)に沿うものとなっている。

ジョコ大統領は5つのポイントを述べた後、建国5原則の「パンチャシラ」を唯一の国民のアイデンティティーとし、国是である「多様性の中の統一」の精神の下、全国民が互いを認め合い、融和することの重要性を強調した。

(山城武伸)

(インドネシア)

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