CPTPPに基づく輸出入関税率表が公布・施行

(ベトナム)

ハノイ発

2019年07月02日

ベトナム政府は6月26日、環太平洋パートナーシップに関する先進的かつ包括的な協定(CPTPP、いわゆるTPP11)に基づく、2019~2022年の関税率表を定めた政令57/2019/ND-CPを公布し、即日施行した。

関税率表は輸出関税率表と輸入関税率表からなり、1段階目から5段階目までの関税の引き下げを規定している。輸出関税、輸入関税ともに、CPTPPの発効日から関税の引き下げが行われるが、メキシコに対しては1段階目から、それ以外のオーストラリア、カナダ、日本、ニュージーランド、シンガポールに対しては2段階目から引き下げが始まり、その後は2022年まで毎年1月1日に一段階ずつ引き下げられる(注1)(対メキシコについては2019年4月10日記事参照)。

CPTPPに基づく輸出関税の適用を受けるには、ベトナムからの輸出時には通常の輸出関税を支払い、ベトナムでの税関申告書の登録日から1年以内に、締約国を仕向け地とした運送書類、締約国での輸入通関書類のコピーを提出することで、税法の規定に基づき、過払い税の処理(相殺、払い戻しなど)を受けることができる。他方、CPTPPに基づく輸入関税の適用を受けるためには、貨物がCPTPPの原産地規則を満たし、所定の原産地証明書を有していることが必要だ(注2)。

なお、CPTPPの発効日である1月14日から政令の発効日までに輸出入された貨物が、CPTPPの優遇適用条件を満たし、輸出入時に支払った関税が本政令に基づく関税よりも高い場合には、過払い税の処理を受けることができる。

(注1)輸出関税に関しては、ある品目が、一般の輸出関税率表には記載があるが、CPTPPに基づく輸出関税率表には記載がない場合には、当該品目の輸出関税は無税となる。

(注2)ベトナムにおいては、現状、輸入者による原産地証明書は認められておらず、今後は協定の発効後、5年以内に導入される。

(北嶋誠士)

(ベトナム)

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