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欧州共同体船主協会、ホルムズ海峡での英タンカー拿捕問題で声明

(EU、イラン)

ブリュッセル発

2019年07月24日

欧州共同体船主協会(ECSA)は7月22日付の声明で、ホルムズ海峡付近での英国船籍タンカー拿捕(だほ)問題に関連して、イラン当局に船員の安全を保障するよう要請した。

EUの対イラン外交に悪影響も

ECSAによると、英国船籍のタンカー「ステナ・インペロ」は7月19日午後、ホルムズ海峡付近の国際水域を航行中、国籍不明の複数の船とヘリコプターに呼び掛けられた後、同タンカーの運航を管理する英国の船舶航行管理事業者などとの連絡を絶ったという。ECSAは、同タンカーはイラン当局によって拘束され、現在、イランのバンダル・アッバース沖に停泊させられているとみている。また、イランでの報道によると、インド、ラトビア、フィリピン、ロシア国籍などの23人の乗組員についても、取り調べのため下船させられたとしている。

ECSAのマルティン・ドルスマン事務局長は「船員・船舶が完全な安全の保障されない状況に置かれている事態は受け入れがたい」「船員の安全を保障し、航行自由の原則を尊重するようにECSAとしてイラン当局に要請している」とコメントしている。

同タンカーの運航を管理するノーザン・マリン・グループも7月21日付で、乗組員との面会をイランのバンダル・アッバース港湾当局に公式に申し入れたことを明らかにしているが、イラン側から回答はないという。同グループはインド、ラトビア、フィリピン、ロシアのグループ関係者経由で、乗組員の家族との連絡を続けている。

この問題をめぐっては、7月20日付で、欧州対外行動庁(EEAS)が「現在の(イランとの関係についての)緊張緩和に向けた取り組みを損なう恐れがある」と懸念を表明、乗組員と船舶の即時解放を求める声明を出している。2018年5月にイランの核開発に関する「共同包括行動計画(JCPOA)」から米国が離脱して以降も、EUはイランとの関係維持の方針(2018年8月24日記事参照)を示していたが、今回の拿捕事件を契機に、今後の対応に注目が集まる。

なお、欧州議会で第6位の議席を持つ保守系会派「欧州保守改革(ECR)」グループは7月9日、米国の対イラン外交(強硬路線)を支持するとし、イスラエルの中東問題研究者を同議会に招いて会議を開き、EUの対イラン外交は厳しい現実を見失っている(missing realism)と指摘する同研究者の論評を紹介している。また、欧州議会で第3位の議席を持つ穏健リベラル会派「リニュー・ヨーロッパ」の有力者であるギー・フェルホフスタット議員(ベルギー選出)は7月23日、今回の拿捕事件を「イランの海賊行為」と断じ、英国の要請に基づき、これに対抗するために欧州主導で(ホルムズ海峡周辺での)船舶を保護する態勢整備を進める動きを支持するとツイッターに投稿。同議員は「(有事に)欧州市民は団結することによって強くなる、このことは明白だ」と発信した。

(前田篤穂)

(EU、イラン)

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