欧州委、イラン支援政策パッケージの第1弾採択

(EU、イラン、米国)

ブリュッセル発

2018年08月24日

欧州委員会は8月23日、民間分野に重点を置いたイラン支援政策パッケージを採択したと発表した。欧州委はイランの経済・社会の持続可能な発展を支援するため、総額5,000万ユーロ相当の政策パッケージの実施を計画しているが、今回はその第1弾となる1,800万ユーロの支援プロジェクトで、このうち800万ユーロ相当が民間分野に充てられるという。

イランとの関係強化方針を堅持

フェデリカ・モゲリーニ外務・安全保障政策上級代表(欧州委員会副委員長兼務)は、「イラン核合意に伴う新しいEU・イラン関係の成果として、さまざまな分野での協力関係が進められてきた。われわれは今後もこの方針を堅持し、今回の新たな政策パッケージを通じて、イランとの経済関係強化を図る」と語った。また、ネベン・ミミツァ委員(国際協力・開発担当)も「EUとして、イランの平和的で持続可能な発展を支援することを表明する」と述べた。

民間分野の支援には、イランの中小企業支援やイラン貿易振興庁(ITPO)に対する技術指導などが含まれるという。支援プロジェクトの実施は、国際貿易センター(ITC、本部:スイス・ジュネーブ)やEU加盟国の国際協力機関などが担うことが想定されている。

EUはイラン核合意から離脱を表明した米国による経済制裁再開に対抗する姿勢を強めており(2018年5月21日記事参照)、8月7日には対抗措置として「ブロッキング規則」の第1弾を発動している(2018年8月8日記事参照)。

(前田篤穂)

(EU、イラン、米国)

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