4月の乗用車販売が減少、米国車のシェアは低水準続く

(中国)

上海発

2019年06月04日

中国自動車工業協会(CAAM)が発表した4月の自動車販売台数は198万台と、前年同月比で14.6%減少した。内訳は、乗用車が約157万台(17.7%減)、商用車が約41万台(0.1%増)だった。3月に減少幅が縮小し、底を打ったかとみられたが、再び大幅減となった。

中でも、米国乗用車の不振が目立つ(2019年1月28日付地域・分析レポート参照)。米国車は、2016年以降10%以上の販売シェアを保っていたが、2018年11月以降は2019年1月を除いて10%を下回り、8%台となる月もあった(図参照)。

図 米国乗用車のシェア(月次推移)

2019年1~4月の乗用車販売台数をメーカー別にみると、ゼネラルモーターズ(GM)が55万2,000台(17%減)、フォードが6万8,916台(60%減)、フィアットクライスラー・オートモービルズ(FCA)が2万6,623台(45%減)となり、乗用車市場の減少幅と同程度かそれ以上の大幅減となっている。

理由としては、米国メーカー各社とも中国市場に新モデルを十分に投入できていないことが挙げられる。また、2019年から始まったNEV(新エネルギー車)規制への対応について、GMは「2020年までに10モデル以上をEV(電気自動車)のラインアップに加える」とし、フォードは「向こう3年で中国に新車種を30モデル以上投入し、うち約3分の1をEVとする」との計画を発表しているが、4月に開催された上海モーターショーで日欧中のメーカー各社がEVなど電動化対応車を積極的に発表し展示する中(2019年5月13日記事参照)、GMはPHV(プラグイン・ハイブリッド車)を1車種展示するのみ対応の遅れが見られた。

一方で、米中貿易摩擦による関税引き上げなどを受け、テスラの上海工場建設など、一部モデルを米国から中国での生産に切り替える動きも出ている。売れる車の中国現地生産の動きが加速すれば、米国車のシェアが戻ってくる可能性もある。

(高橋大輔)

(中国)

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