2019上海モーターショー、新エネルギー車とICVが主役に

(中国)

上海発

2019年05月13日

第18回上海国際汽車工業展覧会(以下、上海モーターショー)が4月16~25日、上海虹橋空港の西にある国家会展中心で開催された。2年に1度開かれ、今回は自動車の電気化、スマート化、コネクティング化へのシフトが特に目立った。

出展企業数と展示面積は前回と変わらなかったが、世界初公開となる車やコンセプトカーなどの展示車両は増えた(表参照)。中でも、新エネルギー車(NEV)の展示は計218台に達し、第16回の103台、第17回の159台から急増している。

表 第16~18回上海モーターショーの概況

NEVシフトでグローバルメーカーとの逆転を狙う中国勢は特に積極的だ。上海汽車や北京汽車など既存の自動車メーカーはNEV分野への進出を加速させ、新興メーカーも多数出展した。電気自動車(EV)を既に量産している蔚来汽車(NIO)、小鵬汽車(Xpeng Motors)、威馬汽車などに加え、天際汽車(ENOVATE)や車和家、博郡汽車(bordrin)など、初出展のNEVメーカーも17社に上った。

中国市場で進出が遅れていたグローバルメーカーも、続々と新型EV車を披露した。トヨタは中国初投入となる2車種のEV「C-HR」と「IZOA」を初公開し、2020年にも販売すると発表した。同社はC-HRとIZOAを皮切りに、2025年までに10車種以上のEVを発売し、2030年に世界で550万台以上のEV販売目標を掲げている。

写真 トヨタの電気自動車「C-HR」(ジェトロ撮影)

トヨタの電気自動車「C-HR」(ジェトロ撮影)

ICV関連の展示コーナーを設立

中国勢は、人工知能(AI)や高度な通信技術で安全性や効率性の高い自動運転を可能とするインテリジェント・コネクテッド・ビークル(ICV)の開発にも力を入れている。次世代移動手段に関する展示コーナーが初めて設けられ、華為技術(ファーウェイ)、中国移動通信集団、アリババやテンセント、音声認識の科大訊飛(アイフライテック)など業界大手企業がICV関連製品を展示した。

写真 科大訊飛(アイフライテック)のブース(ジェトロ撮影)

科大訊飛(アイフライテック)のブース(ジェトロ撮影)

(劉元森)

(中国)

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