インド、米国輸入品の関税引き上げ

(インド、米国)

ニューデリー発

2019年06月20日

インド政府は6月15日、米国から輸入する28品目に対する輸入関税の引き上げを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、翌16日に発効した(注)。2018年6月から米国製品向け輸入関税引き上げの意向は発表されていたものの、これまで度々延期されていた。5月31日にはトランプ米大統領がインドを一般特恵関税制度(GSP)の対象から除外することを発表、6月5日から適用開始となっていた(2019年6月4日記事参照)。

インド商工省商務局の貿易統計によると、2018年度の米国からの輸入額は全体の約7%を占める355億ドルで、中国に次ぐ2位。他方、米国への輸出額は524億ドルで輸出額全体の約16%を占め、米国はインドにとって最大の輸出相手国だ。貿易赤字を抱えるインドだが、米国との貿易では米国側が約169億ドルの赤字となっている。ジャワハルラル・ネルー大学のビスワジット・ダール教授は「米国はインドとの包括的な貿易協定締結に関心を持っている」とし、「インドとの貿易における米国の赤字削減の主張は総選挙前からのものであり、インドはこのような協定締結には注意すべきだ」とコメントしている(「エコノミック・タイムズ」紙6月17日)。

(注)対象品目にはアーモンド、リンゴ、リン酸が含まれるが、全対象品目は現在確認中。

(古屋礼子)

(インド、米国)

ビジネス短信 c9b325b4f5525329