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メキシコ上院、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)批准法案を可決

(メキシコ、米国、カナダ)

メキシコ発

2019年06月20日

メキシコ上院は6月19日、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の批准法案を賛成114、反対3、棄権3の賛成多数で可決した。国際協定の批准は上院の専管事項であるため、行政府が官報で公布すれば、批准手続きが完了する。USMCAの批准承認は3カ国中、メキシコが初めて。

上院北米外交委員会のジーナ・アンドレア・クルス委員長は「閉鎖経済や貿易戦争は諸国に害を与える不毛な政策だ。その観点から、新協定によって、正しい道というものが通商統合のさらなる深化と国際競争力の強化となることを、世界に明確に示すものとなる」と語った。また、アントニオ・ガルシア上院議員は「USMCAは(自動車産業の原産地規則が厳格過ぎるなど)最良の協定とはいえないものの、昨今の国際的に厳しい環境下でもメキシコが経済成長を遂げるための助けとなる」と述べた。

USMCAでも対米対抗措置は維持

メキシコ政府は5月30日にUSMCAの条文と付属文書を批准審議のために上院に送付していた(2019年5月31日記事参照)が、同日に不法移民問題を理由にトランプ米大統領がメキシコの全産品に追加関税を課すと発表したため(2019年5月31日記事参照)、この追加関税賦課の無期限延期が6月7日に決定するまで(2019年6月10日記事参照)、USMCAの批准審議はほぼ停止していた。その後は順調に審議が進み、6月18日に委員会審議が終了、翌19日に本会議で承認された。

メキシコ政府は米国の国際協定違反と思われる一方的措置に対し、WTOの枠組みだけでなく、NAFTAの枠組みで対抗措置を取ることが多い。米国政府が2018年6月にメキシコ製の鉄鋼・アルミ製品に対して25%の追加関税措置を適用した際にも、6月5日にNAFTA第802条に基づく報復関税を米国産品71品目に対して課した(2018年6月6日記事参照)。

USMCAにもNAFTAと同様の対抗措置が規定されているため、USMCA発効後にメキシコ産品に対して協定違反と想定される追加関税措置が導入された場合、メキシコ政府は直ちにUSMCA第10.2条6項に基づく対抗措置を取ることができる。WTOセーフガード協定第8条に基づく対抗措置(通称「リバランス」)は、セーフガード措置により影響を受ける国が措置の適用から60日以内にリバランス措置を取る方針をWTO物品貿易委員会に通知し、30日後に適用可能になる。他方、USMCAの上記条項の場合、即座に報復関税を適用できる。

(中畑貴雄)

(メキシコ、米国、カナダ)

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