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ウクライナ人の就労ビザ発給上限を倍増

(チェコ)

プラハ発

2019年06月12日

チェコのアンドレイ・バビシュ内閣は6月4日、外国人労働者の就業手続き簡素化制度の下で、ウクライナ人労働者の受け入れを拡大することを決定した。11月からウクライナ人を対象とする就労カード年間交付数上限は、現在の1万9,600件から4万件に倍増する。また、同制度を利用して雇用するウクライナ人労働者の賃金を、チェコ人に適用される保証賃金(注)の1.2倍以上とする新たな規定を導入する。

この就業手続き簡素化制度はウクライナ人労働者を対象に2015年11月に導入されたもので、その後段階的に年間交付限度数が引き上げられてきた。また、対象国もモンゴル(年間限度数1,000人)、フィリピン人(1,000人)、セルビア(2,000人)と拡大されてきた(2015年12月1日記事2016年8月9日記事2018年4月16日記事参照)。

チェコ商工会議所は「国内企業は人材不足のため受注を断る状態となっており、この事実はチェコ経済成長の停滞につながっている」として、その短期的対策としての今回の決定を歓迎している。

しかし、新しい制度の下でウクライナ人を雇用する場合、その賃金水準は同じ職務に従事するチェコ人労働者より1.2倍以上高いものとなる。

今回の改正案を提出したトマーシュ・ペトシーチェック外相は閣議後の記者会見で、「賃金条件は、ウクライナ人がチェコ労働市場に参入する影響で、チェコ人労働者の賃金に下降圧力がかからないようにするための方策だ」と説明した。

これに関しては、チェコ商工会議所は強く反対を表明している。ウラジミール・ドロウヒー会頭は「内閣がチェコ人労働者を不利な立場に置くような条件を設定するとは思いもよらなかった」とコメントした。また、このような賃金条件はチェコ経済を支えている中小企業によるウクライナ人労働者確保を困難なものにするとして、その撤廃を要求している。

(注)保証賃金とは、職種ごとに求められる能力・責任を鑑みて定められた最低限の賃金を指す。チェコには全職種共通の最低賃金も存在するが、保証賃金が最低賃金を上回る場合、前者が優先適用される。例えば、機械・電気部門で単純な手作業を行う工員の保証賃金は、最低賃金〔1万3,350コルナ(約6万4,000円、1コルナ=約4.8円)、2019年現在〕と同額だが、「機械による厚さ8ミリ超の金属の形成加工」に従事する労働者の保証賃金は1万6,280コルナと定められている。

(中川圭子)

(チェコ)

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