5月の製造業購買担当者景気指数、約2年9カ月ぶりに50%割れ

(シンガポール)

シンガポール発

2019年06月19日

シンガポール購買資材管理協会(SIPMM)は6月3日、2019年5月の同国の製造業購買担当者景気指数(PMI)は49.9ポイントと、景況感が縮小していることを示す50の大台を下回ったと発表した。PMIが50を割るのは、2016年8月以来2年9カ月ぶりとなる。このうち、エレクトロニクス部門のPMIは49.4ポイントと、7カ月連続で50ポイントを下回った(図参照)。

図 シンガポールのPMI推移

SIPMMは毎月、同国の製造業者を対象に、新規受注、輸出、在庫、雇用などの項目ごとについて集計している。PMIが50を超えると、製造業が拡大していることを示す。

SIPMMによると、PMIが5月に50を割ったのは、新規受注、新規輸出、工場生産、在庫、雇用の項目で伸びが減速したことによるもの。また、受注残高は8カ月連続でのマイナスとなった。SIPMMは5月のPMIについて「製造業者はますます、米中間の貿易紛争の悪化を懸念していることを示唆している」と指摘した。

シンガポールの産業振興・貿易振興政府機関である、エンタープライズ・シンガポール(ESG)は5月21日、同国の輸出指標である、非石油部門の地場輸出額の2019年通年予測を「前年比マイナス2.0~0.0%」とし、これまでの「0.0~2.0%」から下方修正しており、同国の製造業を取り巻く状況が厳しさを増している(2019年5月29日記事参照)。

(安野亮太)

(シンガポール)

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