6州で実施の地方選挙、与党は振るわず
(メキシコ)
メキシコ発
2019年06月06日
メキシコで6月2日にプエブラ州、バハカリフォルニア州、タマウリパス州、キンタナロー州、アグアスカリエンテス州、ドゥランゴ州の6州の地方選挙が実施された。そのうち、プエブラ州とバハカリフォルニア州の知事選では、アンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール大統領が所属する与党・国家再生運動(Morena)の候補が当選した。
プエブラ州知事選でルイス・ミゲル・バルボサ氏、バハカリフォルニア州ではハイメ・ボニージャ・バルデス氏が選出された。特に後者では、1989年から30年間続いた国民行動党(PAN)による施政にピリオドが打たれるかたちとなった。
キンタナロー州で実施された15市の市長選挙では、11市でMorenaが勝利した。他方、タマウリパス州の地方議会選挙では、全22議席のうちPANが21議席を占め、Morenaは1議席にとどまった。アグアスカリエンテス州の市長選挙でも、11市中5市でPANが擁立する候補者が当選した。
党別の得票率をみると、Morenaは2018年7月の時のような圧勝とまでは言えない(2018年7月3日記事参照)。例えば、プエブラ州では当選したルイス・ミゲル・バルボサ氏の得票率は44.67%だったが、Morena単独の得票率は25.59%にとどまり、PAN単独の得票率27.13%を下回り、労働党(PT)などの連合政党の得票がなければ当選はかなわなかった。また、同州の5市の市長選でも、Morenaからの市長選出は1市にどとまった。
今回の選挙では、投票率の低さが目立った。プエブラ州の投票率は34%と、2018年の選挙(68%)から大きく落ち込み、バハカリフォルニア州の投票率は29%だった。選挙管理委員会(INE)顧問のマルコ・アントニオ・バニョス氏は「有権者は、政策提案に乏しくネガティブ・キャンペーンに終始した選挙運動に辟易(へきえき)しており、候補者はより訴求性のあるメッセージを発信していかなければならない」と指摘している(「レフォルマ」紙6月4日)。
(松本杏奈)
(メキシコ)
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