大統領選挙、ロペス・オブラドール氏の当選が確実
(メキシコ)
メキシコ発
2018年07月03日
7月1日にメキシコ大統領選挙が行われ、国家再生運動(Morena)のアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール(通称:AMLO)氏の当選が確実となり、同日夜に勝利宣言した。選挙管理委員会(INE)が発表した速報値によると、AMLO氏の得票率は53~53.8%となる見込みで、2位以下に30ポイント以上の差をつけての圧勝となった。
議会の上下院でも左派連合が勢力伸長の見込み
また、議会の上院(定数128)と下院(500)の改選も同時に行われた。民間調査会社ミトフスキーの出口調査の結果では、AMLO氏が率いるMorenaと労働党(PT)、社会集会党(PES)からなる左派連合が、下院では過半数を占めることがほぼ確実で、上院でも高確率で過半数を占める見込みだ(表1参照)。上院は条約締結に関する専権事項を有しており、今後の北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉の行方にも影響を及ぼすため、注目を集めている。なお、INEによる上下院選挙の集計結果の発表は今週末となる見通し。
新政権は12月1日に発足の予定
AMLO氏は、大統領に就任するまでは現政権の政権運営を尊重すると述べており、それまでの期間は政権移行チームを編成して12月1日の政権発足に備える。政権移行チームには次期政権閣僚候補メンバーなどで構成されている(表2参照)。
7月2日の外国為替相場は終値で1ドル=20.0550ペソと、前週末の終値(19.8730ペソ)より0.2ポイント弱のペソ安となった。事前の世論調査でも、高い支持率を得ていたAMLO氏の当選は既に織り込み済みだったものの、上下院ともに左派連合が過半数を獲得する公算が大きくなったとの報道に、市場が警戒したもようだ。
(西尾瑛里子)
(メキシコ)
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