中国商務部、「信頼できないエンティティー・リスト」制度を策定すると発表

(中国、米国)

北京発

2019年06月03日

商務部の高峰報道官は5月31日の定例記者会見で、「信頼できないエンティティー・リスト(中国語では不可靠実体清単)」制度を策定すると発表した。

同制度のリストの対象は、非商業目的で中国企業との取引を停止する、製品・サービスの提供を断つなどの差別的措置を取り、中国企業や関連の産業に実質的な損害を与え、中国の国家安全に対する脅威となる外国の企業、組織、個人だ。同制度の根拠法は、対外貿易法、独占禁止法、国家安全法など関係する法律・法規と説明された。

高報道官は制度の目的について、国際経済貿易ルールと多国間貿易体制を守り、中国の国家安全や企業の合法的権益を守るためと述べた。なお、同リストに追加された外国企業などに対しては、必要な措置を取るとしているが、具体的な措置は近日中に発表すると述べるにとどまった。

環球時報は5月31日付の社説で、同制度策定の背景に、「米国が華為技術(ファーウェイ)を同国のエンティティー・リスト(EL)に加えると発表し、既に数社の米国企業が中国企業に対する技術提供の停止や締め出しを行っていることがある」と指摘した(2019年5月16日記事5月21日記事参照)。さらに、今回の発表は「米国からのさまざまな圧力に耐えるだけではなく、積極的な対抗措置も取るという重要なシグナルだ」と評価した上で、「中国は米国との経済貿易闘争に対する持久戦の準備ができている」とした。

(藤原智生)

(中国、米国)

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